~ 菜 乃 庵 ~

ユルイ生活blog.目指せオトナのsimple life.

後悔

私は普段から何かを決めるとき、それがどうでもいいことであればあるほど優柔不断になり、大事なことほど悩まず即決する癖がある。

そして、「しない後悔よりはする後悔」を選びがちだ。やらなかったことについては「あーやっぱりやればよかった」と後々まで思うことが多いので、悩んだときは実行する方を選んでしまう。してしまったことについては「やっちゃったんだから仕方ない」と諦める。

なのに今回は、しなかった後悔としてしまった後悔。今でもまだぐずぐずとくすぶってる出来事。



今年の3月初旬、歯が欠けた。右下奥から2番目。7番の歯。



そこは虫歯を治療した歯で、詰め物がとれたのではなく歯が欠けたらしく、この時点ではそんなに大きな穴は開いてなかった。

定期的に通っていた歯医者が移転してしまって、まぁそれも7年ほど前のことで、また一から探すのが面倒で、早く行かなくちゃと思いつつ放置すること7ヶ月。長すぎ。

少しづつ詰め物もとれたのか、時間がたつにつれ穴が大きくなっているような気がした。冷たいものがしみるようになってようやく重い腰をあげ、ネットでよさそうな歯医者を検索した。


以下、長文です。




どうせ行くなら悪いところを全部治してもらおう。ついでに歯周病検査や歯のクリーニングもしてもらおう。と思って近所の歯医者ではなく、総合歯科医を探した。

最初に選んだのは駅前のクリニックで、治療前にカウンセリング予約が必要だった。予約当日(10月1日)、受付で保険証を渡そうとしたら「今日は結構です」と言われたので、本当にカウンセリングだけなんだなぁとちょっとがっかりした。


問診表に記入したあと、担当の方とこちらの状況を説明したり、あちらの治療方針を説明されたり、あれやこれやと話し合って40分。最後にその人が「で、実はうちは保険が使えないんですよ。」と言い放った。


ええええええええ?!?!?!


そう、すべて実費。ホワイトニング等の審美歯科だけでなく、虫歯の治療も何もかも自費。いわゆる自由診療の歯医者なわけですが、HPにはどこを見てもそんなこと書いてないし、電話で予約したときにも一言も言われなかったし、何だかなぁ何だかなぁという気持ちでその歯医者を後にした。


あーん。一日無駄にした(泣)


で、その歯医者の分院が保険治療をしているんですよね。一度不信感を持ったのだからやめときゃいいのに、次を探すのが面倒で、今度はその分院に行くことにした私。普通に予約を入れて「保険証を忘れないでくださいね」と言われて、ひとまず落ち着いた。


10月3日。時間通りに歯医者に行った。レントゲンを撮って、治療室に通されて待つこと30分。思ったより若い先生が来て言った。


「これは抜歯するしかないかも」


えっ?!?!?!?!



レントゲン写真を見て説明してもらったが、なるほど素人でもそれは見てとれた。歯根上部にくっきりと亀裂が入っていた。



茶色の部分に亀裂


「一応、念のためかぶせ物を取って、歯の状態を見てみます。」といわれ、詰め物をとって確認してみたら、上から見た歯の中央部分にも亀裂が入っていた。要するに歯根部分にまで虫歯が進入。私も手鏡を渡されて確認。でも血でよく見えなかったのが本音。


初めての歯医者で、いきなり抜歯するなんて...。


ここでセカンドオピニオンを考えればよかったのに、大事なことほど即決するくせのある私。


私:この歯はもう死んでるってことですか?

医:そうですね。かぶせても多分1-2年で歯茎が腫れて出血しますね。

私:いずれは抜くしかないってことですよね?

医:ですね。歯医者に行っていきなり歯を抜かれたと言われたくないですので、判断はお任せします。



わかりました。抜いてください。



悩んだ。悩んだけど、いずれ抜かなきゃならないのなら、早いほうがよくない?

でも今から思えば、もっとよく考えるべきだった。本当に抜かなくてはいけない歯なのか。歯を抜いてからどうするのか。



抜歯の覚悟を決めて、麻酔が効くのを待っている間にぼんやりあたりを見回した。

目の前のカレンダーが前月のままじゃん。誰も気がつかないのかな。そういえば、うがいをして流したとき、前の患者のものなのか、いろんなカスが残ったままで気持ち悪かったな。

治療椅子の右側に目をやると、ワゴンの上のトレーには血がついたままの治療器具が置きっぱなし。その上に先生の手袋。反対側左下を見ると、治療用ライトの足元に綿埃がふわふわ...。衛生士さんは治療室を出たり入ったり...。


なんか不衛生だな。


と思ったとき、先生が戻ってきた。もう帰れない。



タオルを顔にかけますね。



あれ?このタオル、ライトの横のラックに置いてあったやつ?まさか使いまわし???美容院でも客ごとに取り替えるよね?とアワアワしてたら....


先生、手が滑ったのか、歯を削る道具で舌の裏(舌下面)を傷つけられた気がする。麻酔が効いているから痛くないけども。



抜歯のあとは、まさしく放心状態だった。


長く歯医者に行かなかったことの後悔。抜歯することを即決してしまった後悔。



化膿止めと炎症、痛み止めの薬を4日分。そのほかに別の痛み止めとうがい薬。次は一週間後に消毒。抜歯後どうするかを話し合うために時間をとることになった。今後の治療をここでするか否かはわからないけれど、ひとまず話だけは聞いておきたかったので予約した。

口の周りに血がついているとか、麻酔が効いて右側が動かないとか、そんなことはおかまいなしに電車に乗った。そう、ここへは片道1時間、往復で2時間かかるのだ。

出された薬を飲んでいる間は問題なかったのに、薬がなくなった5日めから疼くので、痛み止めが欠かせなくなった。しかもやっぱり舌下面は1.5cmくらいの裂傷と小さな穴があいていた。抜歯部分とともに治ってはいくんだろうけど、念のため写真を撮った。


一週間後、痛みはまだあったけれど、抜歯部分は綺麗に治ってきているという。先生に傷つけられた部分はしっかりと口内炎状態になって、抜歯部分よりもそこのほうが痛かった。口内を見てもらえばわかると思ったのに、先生が何も言わないのでこちらから


先生の治療、ちょっと雑ですよね。


と、ぶっちゃけて話をした。舌下面を傷つけたことは気がついてなかったと言われた。でもそれって問題じゃないか?


抜歯が困難だったことをいろいろ説明された。歯の上部が折れてしまったので抜歯が難しく、歯根部分は健康で頑丈なため、抜きにくかったこと。歯茎はぎりぎりまで切削したとか何とか。なのでその痛みが内側にまで感じるんじゃないかとか。

しまいには、君の舌下面は人より高いから、総入れ歯になると大変だよ。だって!ま、総入れ歯になる心配は全くないけどね。とも言われたけども。何だかなぁ何だかなぁ。


その後、抜歯部分の補完として「ブリッジ」と「インプラント」と「入れ歯」の説明を聞いた。1歯欠損でも入れ歯が出来るとは知らなかった。選択としてはインプラントなんだろうけれども、今のところインプラント自体をする勇気がない。

抜いてしまったものは仕方ない。なのに、あのとき抜歯せず1-2年後腫れてどうしようもなくなってから考えることも出来たのに、とぐだぐだ。


このまま抜歯した部分を放置すれば、両側の歯が倒れてくるし、上の歯も落ちてくるし、噛み合わせにも不具合が出てくるので、何か手は打たないといけない。ということはよく理解している。

ただ、抜歯して2週間がたった今も、下あご部分はまだ痛みが残っていて、ひどいときには耳まで痛い。上あごと下あごのつなぎ目の、ジュワンと何かを感じる部分も痛い。歯を抜いただけでこんなに痛いのに、と思うとインプラントをする決心がつかない。

これでも親知らずは4本とも抜歯している。歯茎を切開して縫合したこともある。だけど、こんなに長く痛みが続いたのは今回が初めてだ。


抜歯後の痛みは先生の腕によるとかよらないとか。若い先生なので経験不足は否めない。実験台にはなりたくないけれど、その後の治療(小さい虫歯とか見た目部分の補完等)には実は今も通っている(家人にはもう通うの止めたら?と言われている・苦笑)。

ただ、インプラントをする決心が出来ても、ここではやらないと思うし、そのとき真剣に次の歯医者を探せばいいかなぁと。



あぁ、それにしても、昨今歯を失うのは歯周病(歯槽膿漏)がほとんどだというのに、私ときたら虫歯でなんて...。ちなみに歯周病は全く進んでおらず。これでも私、口腔ケアには気をつけていたんだよね。

新しく出来た虫歯でなく、虫歯を治療したかぶせ物が取れたりした場合は、虫歯が中で進行してしまった可能性があるわけで、それは外からどんなにケアしても届かないわけで。ため息。


でもって、歯を抜いてから今日まで、ずーっと室内ジョギングしてません。