ツ、イ、ラ、ク
- 作者: 姫野カオルコ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 文庫
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恋とは、するものではない。恋とは、落ちるものだ。どさっと穴に落ちるようなものだ。御誠実で御清潔で御立派で御経済力があるからしてみても、あるいは御危険で御多淫で御怠惰で御ルックスが麗しいからしてみても、それは穴に入ってみたのであって、落ちたのではない。「アッ」。恋に落ちるとは、この「アッ」である。こんなことはめったにないのである。
中学生の青臭い恋愛だと思って、なにげに読み始めたのですが、思ったよりハマリました。墜落。崩壊。再生。
「今」は「この時」にしかなくてもがいてしまうけれど、それでも時間はいろんなことを解決してくれる。先生が車の中で泣くシーンにホロリ。
懐かしくて切なくて残酷で陳腐。読後の感覚をもてあまして、あとがきや解説を読んで納得。