風味絶佳
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/05/15
- メディア: 単行本
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いきなり寝るのは、あんなにも簡単なのに、キスから始めるのは難しい。
風味絶佳より
人とのつきあいって、全部自分の努力からなんじゃないかなぁ。
と「海の庭」の作並くんが言い
人に好かれるということが、どれ程日常を便利にして行くかを本能的に知っていた。まるで自分がお気楽な奴のように振る舞った。頑張っている人間は敬遠される。
ことを「春眠」の章造は感じる。
そして「風味絶佳」のグランマは言うのだ。
一日に一度は寂しいと思うことって、人を愛するこつだろう?
「シュガー&スパイス」という題名で映画化された作品です。
「甘くとろけるもんは女の子だけじゃないんだから」というグランマの台詞がキャッチコピーだったかな。
6編からなる短編集。詠美さんの本を読むと、いつもどうしようもなく切なくて泣きたい気持ちになる。「間食」の人間関係がすごくエロティック。でも「風味絶佳」が一番好きかな。
ただ「風味」を上手に味わえるようになるにはそれなりの経験と努力が必要なわけで。私はちゃんと味わえているのかなぁ。やっぱりまだまだだなぁ。
※風味絶佳とは404 Not Foundのパッケージに書かれている古い字体「滋養豊富 風味絶佳」から。