三角の葉っぱの
先っちょの雨粒が
こんにちは
と声をかけてくれたので
どこから来たの?と聞いてみた。
四角い葉っぱの
隅っこの雨粒が
ちょっと寄り道
と笑ってくれたので
ごゆっくりと笑って返した。
自分が丸い雨粒の中に
いると気が付いたのは
目の前がかすんで見えたから。
だけど
それらは案外素早くて
たっぷり、り、と
流れて去っていく。
甘ったるい灰色の
とろりとした雲の隙間から
矢のように降り注ぐ
それらは
細く長く丸く遠く。
思い思いに蹴散らして。
思い思いに夢を見て。
たるる、ん、るん、と
弾け散っていく。
今日は雨。
今日の雨。