~ 菜 乃 庵 ~

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湾岸道路

湾岸道路 (角川文庫 (5682))

湾岸道路 (角川文庫 (5682))

随分前に読んだ本です。すっかり内容を忘れていたので読み直してみました。どうしてこの本を選んだのかというと、昨日押入れを整理した時に懐かしい手紙を見つけたからです。


その手紙にはこの本の感想が書かれていました。私は多分この本を読んで、何かに共感して、それを伝えたくて、当時つきあっていたその人に貸したのだろうと思います。

その手紙にはこう書かれていました。

「湾岸道路」はめったにいない都会の男と女の物語ですね。片岡義男の描く世界にはそういうタイプの人たちが多く登場しているみたいだけどね。都会に住んでいると、都会にだけしか生きてないような人たちがいるのが、たまにわかります。僕らはどうなのかな?
(中略)
今は仕事の出来が半人前で、全く自立ができてないので悔しいから頑張っているけれど、ある程度の仕事が出来てきて自分に自信がついたら、何かするかどこかへ行こうかと思うかも知れない。


この頃、既にこんなこと言われたんですねぇ。忘れてました。書いた本人も多分忘れていると思うけど(笑)

実はその2-3年後、彼と私は心身ともに自立した男女として生活を何年か共にしました。ある日彼から「一人で生きたい」*1と言われました。別れの作業は共同で行いましたが、この本に出てくる健介さんのように、その後どこに行くのか、何をするのかは教えてくれませんでした。

彼は別に格好いいことがしたかったわけではないし、そのキッカケや別れに至るまでは決して格好よくはなかったけれど、その出来事たちとは別に、この時「一人で生きてみたい」と言った彼のことを「格好いいな」と思ったことを覚えています。そして、それもアリだよね*2と私は潔く同意したのでした。

*1:別れようと言われて、理由は?って聞いたらこう言われた

*2:好きだけど一緒にいても寂しいってことあるよね